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サーフィン

渥美
日本の夏のスポーツで、すぐにサーフィンを思い浮かべる人は確かに少ないかも知れません。もちろん、バリ、オーストラリア、ハワイなど、サーフィンで有名な場所には到底かないませんが、そうかと言って、サーフィンをできる場所が日本に無いわけではありません。『どうしてもサーフィンがしたい。かといって週末だけわざわざ海外に出掛けて行く余裕は無い。』そんな方もいらっしゃるでしょう。幸運なことに、近場にサーフィンが盛んなビーチがありますのでご紹介します。

渥美
愛知県は、渥美半島の長い海岸線で太平洋と接しており、外海の大きな波がサーファーにとって魅力的です。毎年夏には、渥美半島に点在するビーチで波に乗るため、日本各地からサーファーがこの地を訪れます。渥美は日当たりが良く比較的温暖な気候のため、春から秋までサーフィンを楽しむことができます。シーズン中には、しばしばサーフィン大会が開かれ、特に赤羽根海岸が有名で、ここでは国際大会も開かれます。

渥美半島は、三河湾を太平洋から隔てるように長く伸び、その幅はおよそ7kmですが海岸線の総延長は80km以上にも及びます。細長い半島の中央部には、標高300m以上の山が8つあり、起伏に富んだ地形となっています。半島の突端に近い渥美町が愛知県の最南端にあたり、日当たりの良さと温暖な気候を利用して、メロン栽培や花卉園芸が盛んです。2月には菜の花が咲き揃い、愛知県の中でも最も早く春が訪れる場所となっています。また、半島先端伊良湖から、伊勢湾フェリーで鳥羽に渡ることができます(所要55分)。

渥美
島崎藤村の「名も知らぬ 遠き島より流れ寄る 椰子の実ひとつ」という詩はとても有名ですが、これは民俗学者柳田国男が、1898年夏、学生時代に伊良湖にやって来た折、恋路ヶ浜に流れ付いたヤシの実を見、その話を聞いた藤村が情景を想像しながら詠ったものです。黒潮の流れに並行するように延びる渥美半島は、南洋の植物が漂着する条件にはさほど恵まれていませんが、伊良湖とヤシの実のイメージは強く定着し、ここには「やしの実博物館」などもあります。

渥美半島は、古くからサシバ(鷹の一種)の渡りの名所になっています。毎年秋、東日本や北日本から中国大陸・台湾・フィリピン方面に渡って行く際、サシバの群れが伊良湖岬上空を通って行きます。サシバの渡りは、渥美半島の中央を東西に走る中央構造線がコースの目印となっており、日本列島の中でも渥美のように東西に長く延びる半島は意外なほど少なく、伊良湖は多くの渡り鳥の中継地となっているのです。このように自然が豊富で風光明媚な渥美は、サーファーのみならず、写真家、カップルにとっても魅力的な場所になっています。そして毎年元旦には、伊良湖岬から初日の出の見るために、数多くの観光客が訪れます。ドライスーツなど十分な防寒ギアがあり、また他人がいない時にサーフィンを楽しみたいなら、冬でも可能です。

渥美
夏が近づきサーフィンのシーズンになると、近県からのみならず、渥美には関西や関東からもサーファーがやってくるようになります。サーファーが、遠くからわざわざ渥美まで来るには、もちろんそれなりの理由があるからです。波がいいのは言うまでもありませんが、その他には、宿泊や駐車場などの料金が安いこと(多くの駐車場が無料です)、そして千葉や和歌山のビーチに比べて混んでいないことなどが挙げられます(東京・横浜・大阪などの大都市近郊のビーチはひどい混雑ぶりです)。そのため、良い波を捕らえるのに、長い間順番待ちをしなくても済むのです。

渥美
有名な赤羽根海岸以外にも、この辺りには穴場スポットがたくさんありますが、これからも穴場として残しておくべきだと思いますので、残念ながらここで公開することは控えます。一方、渥美でサーフィンをするのに不便なこともあります。それは公共交通機関でのアクセスがあまりよくない点です。ビーチ周辺に止まっている車のナンバープレートを見て頂くとおわかりになると思いますが、大阪、京都、静岡、長野ナンバーなど、他県からの車が多く見受けられます。他県からのサーファーは、前日の夕方の天気予報で波の状態を確認した後、もしいい波が来そうだとなれば、それから夜通し掛けて車でやって来るのです。あるいは天気予報がどうあれ、とにかくやって来るのです。豊橋まではともかく、その先ビーチまでのアクセスには公共交通機関があまり充実していないので、車を持っていない外国人ビジターにとっては、この点が問題になります。バスもありますが、便数が少ないので、自分の足があったほうがずっと便利です。レンタカーを借りるか、知人から車を借りるか、あるいは友達の車に便乗して来ることになるでしょう。日本での運転については、こちらをご覧ください。

注意点:

世界共通のサーファーのルールです。ローカルサーファーの優先権を尊重してください。もしローカルの邪魔になるようなことをすれば、よそ者の存在は非常に目立ちますし、煙たがられます。まずは邪魔にならないところで、ローカルのライディングを観察しながら、波の特性やブレークポイント、危険個所などを知るとよいでしょう。もしリピーターになるつもりなら、なおさら礼儀正しく友好的に振舞うべきでしょう。ローカルの友人ができれば楽しみが倍増するばかりか、穴場情報なども手に入るでしょう。

渥美
他のサーファーの邪魔にならないようにするのは、礼儀ばかりでなく、自分の安全のためでもあります。波に乗っているサーファーがいたら、その後方にパドリングして道を開けてください。決して他人の進行方向を横切ったりしないように。そんなことをすれば、衝突事故は免れません。もし万一、他人のコースに進入してしまった場合には、礼儀正しく謝罪すべきです。

遊泳者にも気を配ってください。8月には、ビーチでの暗黙のルールを知らない人たちもたくさん泳ぎにきています。十分に注意を払って、事故を避けてください。

ベールする時(ライディングからボードを降りる時)には、後方から誰も来ていないことを確認してください。

バリやその他の海外のサーフィンスポットに比べれば、盗難事件の発生件数は比較的少ないですが、それでも貴重品の管理には気を付けてください。

ある程度の日本語を覚えて、他のサーファーとコミュニケーションが取れるようにしておいた方がよいでしょう。少なくとも日本語のサーファー用語は覚えておいて損はないでしょう。

もし可能であればボードやスーツも持参した方がよいですが、もちろん日本で購入することもできます。

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