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結婚式 日本の春と秋は、行楽シーズンであるばかりでなく、結婚のシーズンでもあります。日本の伝統的な結婚式は、家族、親戚縁者、親友などの極近しい間柄の人たちだけを集めて執り行われる、内輪の神前挙式です。しかしながら現代では、こうした伝統的な様式の結婚式ばかりでなく、その他の様々なスタイルで式を挙げるようになりました。最近の統計では、全体の3分の2のカップルが、様式の結婚式を選択しているとのことです。 歴史 貴族の時代には、日本の結婚形態は「婿入り」が一般的でした。これは、たとえ夫婦でも日常生活は別々に営み、夫が妻方に通う、いわゆる「通い婚」で、子供が誕生するか、または夫の両親が他界した時に、女性は初めて妻として夫宅へ入り、一緒に結婚生活を営むものです。当時、一般人にとっては、労働力は家族を維持するために欠かせない重要な要素でしたから、ある一定期間、夫は妻宅に住み、労働力を提供することもありました。「婿入り」という言葉は現代でも使用され、これは、結婚後、夫が妻の生家に入ることを差します。 一方、武家の時代に入ると「貴族の婿入り、武家の嫁取り」と言い、結婚の形態は「婿入り」から「嫁入り」へと、次第に移り変わっていきます。封建制度の下では、結婚は、しばしば政治的意図や外交的手段として、無用な戦を避けるため、あるいは結束を図る手段として利用されました。このような政略結婚では、家系の利益が優先され、男女とも、個人の意志を無視した結婚が行われていました。また、未婚の男女の社会的地位は、低いものでした。こうした時代背景から、日本では、近代になってからも、個人の意志よりも、親族同士の話し合いによる、または仲人による結婚が多く見られました。昭和の初め頃まで、こうした第三者の決定による結婚の形態が残っており、保守的な農村部では、より最近まで同様の習慣が見られました。また、さらに時代は進んでも、お見合い結婚という形で、仲人の引き合わせによる結婚形態は、現在でも見られます。しかし、現代では、本人たちの意志が最も尊重されることは言うまでもありません。
結婚する当人同士の意志が固まったら、婚約し、一般的に、その証として男性は女性に婚約指輪を贈ります。婚約を交わしたら、周囲にそれを知らせますが、その方法のひとつとして、日本古来より為されており、現在でも最も一般的なものが結納です。結納式は、婚約成立の証として、両家が金品を送る儀式です。 結納品は地方により異なりますが、一般的には、それぞれにおめでたい意味を持った9種類の品が送られます。ここでは、岡崎を含む中部地方の様式と品々について例を紹介します。
伝統的な日本の結婚式は神社で執り行われる神前式で、これは日本古来の様式に思われがちですが、実際には、大正天皇の婚礼の儀以来のものです。結婚式の様式が多様化した現代でも、一番多く行われているのはこの神前式です。本来は神社で挙式すべきところですが、最近では、結婚式場やホテルなどに設けられた神殿で行われることの方が一般的です。神前式の進行例としては、巫女の先導で、新郎新婦、媒酌人、新郎両親、新婦両親、新郎親族、新婦親族の順に入場し、最後に斎主が入場します。、巫女が式の始まりを告知しますので、斎主の拝礼に合わせて、一堂が起立して神前に礼をします。みそぎを行うため、斎主が幣を振ってけがれを祓います。一堂は起立したまま軽く頭を下げ、これを受けます。斎主が神前でふたりの結婚を神に報告し、神のご加護を願います。一堂は起立して頭を下げます。三三九度の杯を交わします。新郎が一の杯を受け、次に新婦がその杯をいただきます。二の杯は新婦から新郎の順、三の杯は新郎から新婦の順で、どの杯も必ず三口で御神酒をいただきます。新郎新婦が神前に進み出て、誓いの言葉を読み上げます。新郎が本文を読み、自分の名前の部分は新婦が読みます。玉串を神前に捧げ「二拝・二柏手・一拝」の順で拝礼し、席に下がるときはお互いに背を向けないように、内回りで体の向きを変えます。新郎新婦に続いて、媒酌人、親族代表が玉串を捧げます。両家が親族となった誓いを交わします。両家の親族、新郎新婦、媒酌人が杯をいただきます。斎主が式を無事終わらせたことを神に報告し、一拝します。一堂は起立して拝礼します。その後、斎主が祝いの挨拶をし、一堂で拝礼します。斎主退場の後、新郎新婦、媒酌人、親族の順に退場します。
神社で本格的な神前式を執り行うためには、神社そのものを借りたり、高価な花嫁衣裳を借りたり購入したりと、何かとお金がかかります。それゆえ、最近では、教会や挙式を目的として式場やホテルに作られたチャペルで西洋風の結婚式を挙げるカップルも増えました。式は牧師が主宰しますが、日本の人口に占めるクリスチャンの割合はたった1%ですから、本来持つ宗教的な意味合いは薄く、スタイルだけを真似た形式的なものにとどまっています。 結婚披露宴 神前式、あるいは教会での挙式の別無く、結婚式の後で、結婚披露宴が開かれます。新郎新婦は、予め披露宴の招待状を親戚縁者、友人、会社の上司・同僚、恩師など、喜びを分かち合いたい人たちに送ります。招待され、披露宴に参加する時には、ご祝儀(現金)をご祝儀袋に入れ、それをふくさに入れます。披露宴当日それを持参し、会場の受付で渡します。ご祝儀袋の裏は、下側が上に、ふくさは左、上、下の順に包みます。金額は、間柄や親しさ、習慣などによって決めます。ご祝儀は、披露宴の費用に充てられます。 披露宴は、新郎新婦の紹介から始まります。ふたりの馴れ初めからゴールインするまでの経緯を紹介したり、家族や親友が祝辞を述べ、スピーチをしながら、様々な趣向をこらして紹介していきます。スピーチが終わると、料理が出されます。和風会席料理、フランス料理、中華料理などが一般的で、料理の種類や内容は、好み、雰囲気、予算に合わせ、新郎新婦が決めておきます。披露宴では、招待客が歌を歌ったり、楽器を演奏するなど、様々なパフォーマンスが演じられます。新婦は、お色直し中座といって、ウェディングドレス、色打掛、紋付袴、カクテルドレスなど、披露宴の途中で数度衣装を変えます。披露宴のその他のブライダル演出としては、メインキャンドルから各テーブルへ火を移す点火の愛のおすそわけや、夫婦揃って初めての協同作業を象徴したウェディングケーキ入刀などがあります。 新しい傾向 1970年代には、まだ日本の結婚の40%以上が、親や仲人の紹介による「家同士」の結婚という形になっていました。お見合い結婚に代表されるこのような結婚形態は、今日では全体の10%未満になっています。新しい傾向として、仲人などの紹介に替わり、結婚紹介所やインターネットを通じて結婚相手を探す人も増えてきており、それが新しいビジネスにもなっています。 海外挙式もまた新しい傾向として挙げられ、ハワイ、オーストラリアなどで挙式するカップルも増えています。こうしたブームを生み出した背景には、「結婚式の費用を抑える」といった、経済的な事情も含まれています。挙式と新婚旅行をパッケージにし、身内や限られた小数の友人だけを招待することで、結果、総額としては、国内で式を挙げるよりも低予算で済むのです。この20〜30年の間に、日本の結婚を取り巻く様子は大きく変わりました。例えば、結婚年齢の上昇、夫婦別姓、そして生涯独身で通すことも社会通念上ひとつの選択肢として認知されつつあります。
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