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Return to #37 - "Travellers' Attitude under Question"

おそどまさこの地球は狭いわよ
問われる旅人の意識

ハンセン病の元患者が熊本県の黒川温泉のホテルから宿泊拒否にあった話が新聞紙上やテレビで大きく報道されている。テレビ画面では、ハンセン病元患者らの施設を訪れて陳謝するホテルの女社長の姿や元患者の人々が抗議して、つめよる姿が映し出されていた。

この旅行は熊本県主催の「ふるさと訪問事業」の旅だったという。県がサポートした旅行でも、このありさまだから、人々の差別と偏見はかなり手ごわい。

少し前の北海道の利尻島と礼文島花の旅ツアーが思い出された。ツアーでは礼文島に二泊する予定で、港前にある一番よいホテルを予約していた。私が企画するツアーは、大手旅行会社に主催をお願いしている。年間を通じて大量送客する大手旅行会社とタイアップすることで、身体の不自由な人たちの旅や宿泊が拒否されにくい環境をつくるのに役立つからである。

が、このツアーでは礼文島のホテルから「他のお客様にご迷惑がかかるから」と、盲導犬の同行が断固拒否された。

おそどが怒り出す前に、旅行会社から、北海道の仕入れ担当者と、ツアー担当者が礼文島へ飛んだ。結果、ホテル側は譲歩、「盲導犬の同宿は認めるが、夕食や朝食を食べる食堂への出入りは許可しない」まで進み、出発の日を迎えた。

ツアーに参加するふたりの盲導犬使用者には、ホテル側と直接交渉するが、それでもホテル側が了解しなかったら、食事の時だけ、盲導犬を部屋においてもらうようお願いした。

当日、ホテルにチェックインし、ツアー参加者は部屋に散っていった。私はロビーに残り、支配人とロビーのソファで向き合い、「盲導犬は視覚障害者の目の代わりである。食堂にもユーザーを誘導して一緒に行くことを許可してほしい」、と説明した。

が、流れは変わらなかった。そのとき、ロビーで、にこやかに接客中の女将を見つけた。にこやかさの延長で突きくずせるかもしれない。盲導犬ユーザーを呼び、盲導犬を連れて女将に近づいた。「盲導犬は騒がない。ほえない。食堂では、静かに、ユーザーの足元にうずくまり、誰にも迷惑をかけない。皆はるばる礼文島に日本全国からやってきたのだ。彼らが礼文島を嫌いにならないよう、食堂に入れるようにしてほしい」と語りかけた。

女将は、私たちが引かないことを察知したらしく、盲導犬が食堂に入ることを承諾した。女将が犬好きだったことも幸いした。拒否されても決してあきらめない。人が変われば考え方も異なる。顔の半分で怒り、もう一方の半分は笑顔を残し、根気よく説得し続けた結果だった。

気になるのは、「他のお客様にご迷惑・・・」という言葉である。他のお客様とは、健常者、老若男女、一般の客、あなた自身ということになる。宿泊拒否問題は、実は、一般の旅人の意識が問われているのだ。

宿の対応はそれを写し出す鏡にすぎない。人は誰だって、いつだって障害を持つかもしれない。そのときに宿泊拒否されないで済むように、今から、やさしい視線で旅しようではないか。                   

(トラベルデザイナー おそどまさこ)

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