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Return to #7 - "Slow Life"

(朝日新聞 2002年11月01日より)   ( Kanji Link GeneratorPassword Required )

スローライフ

昔の生活体験、大量消費再考

落語作家くまざわあかね氏の『落語的生活(落語ライフ)ことはじめ』がちょっとした話題になっています。落語ではおなじみの七輪(カンテキ)、火鉢、水がめ、着物などでの生活をしたことのない71年生まれの同氏が、落語の背景に近い35年ごろの暮らしを大阪市の空堀で1カ月間体験し、それをまとめたものです。

40ワット電球の6畳間。羽がまでご飯を炊き七輪でおかずを作る一汁一菜の食事。着物で過ごし、風呂は銭湯。電化製品は電球とラジオとアイロン。

今ならスイッチ一つで消せる火も、火鉢の火が火事にならぬかと気になって仕事に身が入らない様子は読んでいておかしいのですが、炭の火を自分で扱うと「生活全般が他人任せではないという感覚が生まれる」との言葉には説得力があります。

何かこぼしたらティッシュでふいていたのに、ぞうきんでふいては洗う繰り返し。ごみも減ります。部屋の物が少なく、掃除は意外と楽だったそうです。

困ったのは冷蔵庫がないこと。おかずは毎日火を入れて食べきれても、4、5月という気候では、すぐ腐ってしまう食材も多いとか。毎日の食材を必要な分だけ商店街で買い求め、カツオ節などで出し汁をとり調理する手間をかけたので、大切に食べる気になると記しています。

「スローに生活しよう」とか「スローフード」のように「スロー」という言葉を最近よく耳にします。「便利さ」「安さ」「手軽さ」を求めがちな私たちの意識を変え、行き過ぎた大量生産、大量消費を見直そうという立場からの提案だと思います。

人任せ、機械任せにしていることも、手を動かす、頭を使うことで済ませられることもあります。家族でスローライフデーを設けてみると、数十年前まで普通だったスローな暮らしから大人も子供も学ぶことがきっとあるでしょう。

(NACS中部支部消費生活アドバイザー・柴田智子)

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