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Return to #24 - "A Critic, Foodies, Manners and Language"

(SPA!, 2003/05/27 2003年 5月27日 より)   ( Kanji Link GeneratorPassword Required )

“注文の多い店”の言い分は99.9%正しいですよ
「飲食店に物申す」が僕のスタンスだと思われているでしょうが、今回は九分九厘九毛までお店の味方です。[注文の多い料理店]?結構じゃありませんか。食べ物に対して敬意を払っているお店なら、その言い分は100%正しい。
 勿論、お店のご主人が、単に自分の趣味趣向を押し付けているだけなら、お客にもわずかながら言い分があるかもしれません。けれども、僕が見てきた例は、すべからくお客が悪かった。

例えば、お寿司屋さんでお客と職人さんが喧嘩しているのをよく見かけます。お酒ばっかり飲むお客に、職人さんが「お寿司も食べていただけませんか」と一言。するとお客は「バカヤロウ、俺の勝手だろ!」となってしまうんです。

でも、正しいのはどちらですか?お店としては、料理を出来るだけおいしく食べてもらいたいわけでしょう?朝早くから良い材料を選んで仕入れてきて、丁寧に仕込んで、一番おいしい状態にして出そうとしている。それを食べないなんて、お店に対する尊敬の念が薄すぎます。

日本人のお客のマナーは世界的に見ても最悪です

大概のお客は、庶民的なお店では好き勝手に振るまうくせに、高級レストランでは縮こまっている。それは気持ちの中で、店を勝手にランク付けして差別しているんですよ。非常に失礼な態度です。焼き鳥屋でもラーメン屋でも、料理人の志が同じところにあるのなら、尊敬の念は全く同じであるべきでしょう。

だいたい日本のお客はマナーが悪すぎます。お店側が注文をつけたくなるのも無理はありません。ほとんどのお店は喉元まで出かかっていると思いますよ。それでも99%の店が黙ってこらえている。うっかり注意してしまったら、悪い噂を流されたり、インターネットで誹謗中傷の的になったりしますからね。僕の知っているお店でも、お客に対して物申せるところは少なくなってしまいました。

特に最近の素人の評論家気取りは本当にひどくて、言いたい放題です。まとはずれな批判を目にする機会も増えました。レストランでの振るまいもひどくて、メモを取りながら、デジカメで写真を取りながらご飯を食べている。そんなことをしていったい何が楽しいの?食べるところでデジカメなんか使うな、メモなんか取るなと言いたい。おばかな食べ手を、素人評論家をのさばらせちゃいけません。[注文の多い料理店]は、こうした手合いに立ち向かえる、ごく一握りの、気概あるお店と言えます。

すぐに腹を立てず、店主とコミュニケーションすべき そもそも、料理の根本は食べ物を介して、作り手と食べ手がコミュニケーションを取ることなんです。料理を食べて、シェフの考えたことを理解し、近づきたいと思うわけです。それならシェフの勧める食べ方に従うのが一番に決まっているでしょう?今、世界で最も話題になっている、「エル・ブリ」というレストランがスペインにありますが、そこではシェフが「スープは一気に飲んで」とか「魚を食べる前にこのハーブの香りを吸って」などと注文をつけます。それが、料理を味わうために必要なことだからなんです。でも、これを嫌がる人はあまりいないでしょう。ラーメン屋で「そんな食べ方をしちゃダメだ!」と言われるのも全く同じだと思いますよ。

お店に注文をつけられたからといって、すぐに腹を立てるのもよくない。納得がいかなかったら、「何故ですか?」と聞けばいいんです。そこでコミュニケーションが生まれて、お店との距離が縮まるんですから。以前、こんなことがありました。知人に勧められて、ある蕎麦屋に出かけたのですが、僕が店に入ると、店主が「アンタ、山本ナントカってヤツだろ。俺、アンタが嫌いなんだ。帰ってくれ」。さすがにムッとしたけど、「そんなことを言わずに食べさせてくださいよ」と食い下がった。すると「じゃあ、アンタが東京で一番旨いと思う蕎麦屋を5軒言ってみな。納得いったら蕎麦打ってやるよ」。デ、僕が5軒挙げると、「わかった!蕎麦を出すよ!アンタ誤解されてるよ!」。いや、誤解しているのはアンタだけだって(笑)。僕だったらここまでしますよ。

作り手に対する尊敬の念を忘れたら、飲食店でのコミュニケーションは成り立ちません。好き勝手に食べさせろというのは、食べての傲慢。これが理解できない未熟な坊やは、ベビーフードでも食べていればいいんですよ。

SPA! 2003年 5月27日

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